海外へのお引越し
子連れでの航空券予約の注意点
当日の機内での出来事
(子供のための機内持込み品リスト)
いつ、出発しようか。
家族全員分のパスポートが手元に戻ってきたのは6月末のことだった。7月の半ばを過ぎれば8月末近くまでは、夏の旅行シーズン。航空券は高い。今さら急いでも仕方がないので、出発は8月末以降にすることにした。
幼い子供を連れて飛行機で旅をするのは、とても不安なものです。
我が家から成田までは1時間半弱ですが、チェックイン後、出発時間まではたっぷり2時間ありますし、その後、約9時間にもおよぶ空の旅が待ち受けています。やっと到着しても、空港から宿泊先まで移動しなければなりません。
大人でさえ疲れてうんざりしてしまいます。それが幼い子供だったらどうでしょう?
どうしたら子供に、精神的にも肉体的にもストレスを与えず、かつ、回りの人にも迷惑をかけないで、親子ともども快適に乗り切ることができるだろうか。私の頭の中は不安と心配でいっぱい。それなのに夫ときたら「みんな子連れで海外旅行行ってるんだし、大丈夫だろ。いつもの取り越し苦労だよ」と、まともに取り合ってもくれない。そんな彼はほっといて、私は出来る限りの情報を集めてみました。ですが、情報量は非常に少なく体験談もなく、とても苦労しました。参考になれば良いのですが。
出発時間ですが、朝の便のほうが楽だと思います。夜の便なら寝てくれるからいいとも言えますが、食事が終り、機内が静かになるまでにはかなりの時間が掛かりますし、それまでに興奮してしまっているので、なかなか寝てくれないお子さんも多いと思います。睡眠が充分に取れないと、泣いたり、ぐずったりしやすいものです。
2歳以下の子供の席は必要かどうかですが、赤ちゃんの場合は壁に取り付ける簡易ベットを利用できるのでいらないでしょう。この簡易ベットは確か体重制限があったと思いますので確認してみて下さい。それを超えた幼児の場合、私の個人的な意見では、ぜひ席を予約することをお薦めします。運良く席が空いていれば子供を座らせたり寝かせたりすることができますが、混んでいる場合はずっとひざの上に抱きかかえていなくてはなりません。短時間ならいざ知らず、長時間のフライトではお薦めできません。
当時、息子は二歳になる直前。厳密には一歳でしたが、親に似て体が大きいことと、約9時間のフライトを出来るだけ快適に過させたかったので、息子のために席を取ることにしました。もちろんチャイルドミールの予約もしました。ただし、格安チケットの場合、席のリクエストは受け付けてもらえないので、当日なるべく早めにチェックインするしかありません。
さて、席のリクエストについてですが
前に座席のない、最前列がいいのか
前に座席のない、出入り口近くの席がいいのか
後ろに席のない、最後尾の席のほうがいいのか
エコノミークラスか、ビジネスクラスか
子供はいつでも大人の予期しない行動をとるものですが、それは機内では遺憾なく発揮されるに違いないのです。
私なりの席別考察
- 最前列席
最前列は、食事をさせるのに子供の前に立てるスペースがある。乗務員もそばにいるので何かと用を頼みやすい。ただし、子供はじっと静かに座っていられないので、後ろの席の人用の小さなテーブルが振動で揺れて、飲み物がこぼれたり、食事をする際に迷惑がかかることがある。
- 最前列出入り口付近
上記の最前列席の記述に付け加えて、この席はドア近くなので比較的自由に動けるスペースを確保できるのはいいが、ドアに触ろうとしたり、触らないように注意すると余計に触りたがって泣いたり怒ったりすることがあるかもしれない。だたし、子供の性格によるところが大きいので、何とも言えない。
- 最後尾席
子供が前の座席を蹴ったり押したり、前の人の頭に触れたりしてクレームを受けたりすることがあるらしい。トイレが近く、ちょっとしたスペースがあるので、人がこない時にぐずっている子供を抱っこして立っていることができる。もし泣いた場合でも、迷惑のかかる度合いが多少軽減される。(中程の席だと、前後左右に泣き声が響き渡る。ちょっと考え過ぎかも。でも気分の問題)
- エコノミークラスか、ビジネスクラスか
座席が大きく、余裕のあるビジネスクラスは一見快適に過ごせそうだが、仕事をしている乗客や静かに過ごしたい乗客に迷惑がかからないようにしなければならないので、厳しい躾ができていることが要求される。外国人の方で両親がビジネスクラスを利用しても、子供たちにはエコノミークラスの席をとるという話を聞いたことがある。その考えには大いに賛同できるので、やはり子供にビジネスクラスを利用させるのは考えものだと思う。さらに、食事に陶器やガラス製品が使われているので神経を使う。
ああ〜ため息。席一つにも悩みは尽きない。私は以上の点を考えて、エコノミークラス(何といっても安いし)にした。前述の通り、格安チケットの場合は航空券の予約時に席のリクエストが出来ないので、早めにチェックインすることをお薦めします。
チェックインした後の2時間をどう過ごすかですが、これは心配いらないでしょう。
成田には、子供を遊ばせることのできるプレイルームが用意されています。あいにく利用出来なくても、窓から飛行機は見えるし、お店もあるし、軽く食べることもできるので、時間はあっという間に過ぎるでしょう。
いよいよ搭乗の時がきたら、アナウンスで子供連れの方は先に搭乗して下さいと流れますが、あまりに早く搭乗してしまうとじっとしていられないせいで周りの方に迷惑をかけることがあるので、ぎりぎりに搭乗することをお薦めします。それでも荷物を片付けたり子供の面倒をみる時間はあります。
子供のための機内持込み品リスト
- 新しいおもちゃと、お気に入りのぬいぐるみやおもちゃ
ボールなど転がりやすいものや、音の出るおもちゃは避けた方がいい。
- バスタオル、タオル
寒い時や寝る時に便利。
- 着替え
汚したり濡らしてしまった時用に。冷房が入っているので長袖のシャツなど。
- ミルク
スティック状の粉ミルクは便利です。出来れば、ミネラルウォーター1本と携帯用のお湯ポット。乗務員に何度もお水とお湯を頼まないですむので気が楽です。
- ジュースを何本かとお菓子、ベビーフードなど。
ベビーフードに限り、オーストラリアに持ち込み可能です。
- ビニール袋
スーパーの袋は使用済みオムツ、汚してしまった洋服、脱いだ靴などを入れるのに便利です。きれいなビニール袋は食べ残したおやつ、濡れたままの哺乳瓶を入れるなど、とにかく重宝です。
- 濡れティッシュや厚手のお尻ふき
顔や手を拭くのに便利。トイレで手を洗わせるのはなかなか大変です。
- 吸い口のついた飲み物用ボトル、またはストロー
振動で揺れて飲み物がこぼれやすいのであると便利です。
- 普段使っているもの
おしゃぶり、歯固めなど。
- 医薬品
解熱剤、風邪薬、酔い止め、体温計、バンドエイド、常備薬。
当日の機内での出来事
8月27日、その日は朝から快晴。まさに出発日和。
息子はリムジンバスでの移動中とても機嫌が良く、1時間のバス旅行は快適だったようです。
私は航空会社はカンタスが良いと思ってカンタス航空のブリスベン行きを予約したのだが、実際にはJALとの共同便で、しかも飛行機も乗務員もJALでした。それはそれとして、チェックインでの座席のリクエストですが、実はずっと悩み続けていました。結局、私はチェックインカウンターの方の裁量にゆだねることにした。運を天に任せて。そして、用意された席は真ん中の列の最後尾でした。チェックイン後、息子は大喜びで走り回り、飛行機を眺め、軽く食事をして、瞬く間に時は過ぎていきました。ここまでは、本当に順調だったのです。
ところが、飛行機に乗り込む段になって、あの狭い狭い通路を歩き始めたころから、息子の顔が段々険しくなってきて、いざ、飛行機の入り口に差し掛かったところで、息子の感情が一気に爆発したのです。ものすごい力で乗るのを拒否しながら泣き始め、出迎えの乗務員がいくら笑顔であやそうとしても、もうこうなったら、だめ。私にもどうしようもない。泣き叫んで抵抗する息子を無理やり抱きかかえて中に入り、乗務員が食事や飲み物を用意する場所の真ん中の空間に入って、おもちゃを出したり、お菓子を出したり。しかし、ことごとく拒否され、とうとう奥の手、ミルクを作ってあげてみても見向きもしない。泣き叫ぶ息子を抱きながら、完全に途方に暮れてしまった。
ずっとそのスペースにいる訳にもいかず、いよいよ離陸体制に入るとのことで、席につくように促され、仕方なく席についてはみたものの、息子は泣き止まない。周りの人たちは怪訝そうな顔でこちらを見るし、私はというと英語と日本語で謝り続けていた。飛行機がゆっくりと動き出すと、乗務員がやってきて、息子を一人で席に座らせ、シートベルトをするように言ってきた。私が息子を抱いてシートベルトをしてもいいかと聞くと、それは規則なので出来ないと言われてしまった。私は何とか息子を一人で席に座らせシートベルトをしようと試みるが、息子は私から離れまいとしがみつき、嫌がっていっそう激しく泣くばかり。乗務員はそんな状況を見ていても、規則だからと繰り返すばかりで全く譲らない。困り果てた私はシートベルトをしたように見せかけて、済ませてしまった。
そして、ついに離陸。機体はどんどん上昇していく。さすがにずいぶん泣いたせいか、息子の泣き声も徐々に小さくなっていった。乗務員も席についているとみえ、姿が見えない。私はこれ幸いに息子を横に寝かせた。そうすることで彼の気分もだいぶ落ち着き、ミルクを飲み始めたのだった。やがて、泣き疲れた息子はミルクを飲みながら眠りに落ちていった。
機内はわりに空いていて、空席が結構あった。チェックインカウンターの人が言うには、その便以外は全部満席だったそうだ。運が良かった。それにしても、息子が泣き止んだ後の機内は本当に静かだった。普段なら聞こえてくるはずの、あのざわざわと人がしゃべる声さえ全く聞こえない。あの日のあの便はブリスベンに到着するまで本当に静かなままだった。
息子が泣いていたのは、おそらく20分ぐらいだったと思うが、まるで時が止まったかのように、長く、長く感じられた。私は、彼が寝た後も一時間ぐらいは、気持ちがざわざわと落ち着かないような、足ががくがくするような、とにかく言いようのない感覚に襲われ続けた。本当に、急性胃潰瘍にでもなるかと思った。
エンジン音?のする機内で座席に横たえられた息子は、熟睡できなかったようで、2時間ぐらいで起きてしまった。その後は、到着するまで泣くこともなく、ぐずることもなく、さりとて眠れるわけでもなく、乗務員からもらった飛行機のマグネットやら、持参してきたおもちゃで静かに過ごしてくれた。
あんなに悩んだ席についてだが、真ん中最後尾席は快適だった。後ろに席がないせいか程よく暗くて、トイレに行く人意外は来ないので落ち着いて過ごせた。息子は到着するまで、前の席を蹴ることもなく、静かで、とても良い子だった。
機内でのオムツ交換はさぞ大変なのだろうが、夜の便だったせいか、乗る直前にオムツを替えた後は到着後の入国審査前に地上のトイレに行くまで、オムツを取り替えないですんでしまった。
ちなみに、その2ヵ月半後、またしても飛行機に乗るはめになったが、その時はゴールドコースト・シドニー間の約2時間の短いフライトだったせいか、それとも、その間に彼がめざましく成長したせいかは分からないが、彼なりに空の旅を楽しめたようである。
なぜ、今回のフライトでは快適に過ごせたのだろうか? 一つだけ心当たりがないこともない。それは、成田からの国際便は夜の出発に加え、狭いトンネルのような通路の先が飛行機の機内とつながっているが、ゴールドコーストからシドニーまでの国内線は、自分たちの乗る飛行機を眺めながら地上を歩き、タラップを上って機内へと入っていく。もしかしたら、息子は狭い通路に恐怖を覚えたのかもしれない。明るい空の下、光輝く大きな飛行機に恐怖より興味を感じたのだろう。
蛇足だが、乗務員の対応にも大きな違いがあった。
JALの若い女性乗務員は、息子が大人と同じように一人で席につき、シートベルトをするのが決まりだ、の一点ばりだった。私のひざの上に抱きかかえた状態でシートベルトを着用するのはダメだと言った。結局、私は泣きながら離れまいとしがみつく息子を無理やり引き離し座らせるよりなかった。
一方、カンタス航空の国内線ゴールドコースト・シドニー間でも、息子は案の定一人で座ってシートベルトをするのを嫌がったが、その様子を見ていた少し太めの女性乗務員は、すぐに抱っこしたまま使えるシートベルトを持ってきてくれた。おかげで、息子は機嫌よくシートベルトを着用し、窓の外を眺め大喜びだった。私はその乗務員のおおらかな笑顔と適切な対応に救われた気がした。
この2社の対応、2人といってもいいですが、どんな風に感じますか?
その後、彼は空を飛ぶ飛行機を眺めるのが大好きになり、「ビユ〜ン、ビユ〜ン、エアプレーン」と指差しながら、また乗りたいと言っている。