海外へのお引越し
シドニー現地報告
3年ぶりのシドニー。
懐かしいというよりは、ほっとする。不思議なものだ。
車窓の風景を眺めながら、シドニーで暮らした4年間のさまざまな出来事を思い出していた。まさにジェットコースターに乗り込んでいたような日々だった。
街並みは3年前とあまり変っていない。いくつか新築のフラットやユニットができ、当時全面改築中だった大きなショッピングセンターが完成したぐらいで、あとは以前のまま。しいて言えば、以前は旅客機が我が家の上空を飛ぶことはなかったが、最近飛行ルートが拡大したらしく、時折り轟音をともにその巨大なお腹を見せて飛んでいくぐらい。仕方ないこととはいえ、あまり気持ちいいものではない。
私の住む地域の民族構成は、韓国人、インド人、オーストラリア人、中国人といったところだろうか。特に韓国人と中国人経営の店が多いので、看板だけを見ていると、アジアのどこかの国に紛れ込んだかのような錯覚を覚える。一方で、駅の職員や公務員などはインド人がとても多く、その多さにはいつも驚かされてしまう。
オーストラリアは本当に多民族国家だと痛感させられる。よく言われることだが、この国では、それぞれの民族が個々の文化を大切にし継承し、なおかつ他国の文化を尊重し、理解しようとしている。アメリカが成し得なかった多民族国家の理想を掲げているわけだ。オーストラリアへの移民が年々難しくなっているとは言え、これからも移民者数は増え続けることだろう。この国はこれからどこへ向かっていくのだろうか。どんな国家へと変貌していくのだろうか。
どこへ向かっていくのだろうと言えば、ここ数年の不動産の高騰だ。私の記憶が正しければ、ここシドニーでは不動産の価格は7年ぐらい前の約3倍近くになっているように思う。4年前に比べても倍ぐらいだと思う。オーストラリアでは、これを新生不動産バブルと呼び、日本のようには弾けないと読んでいる。このところすべてに強気なオーストラリア、さらに不動産が高騰し続けるか、あるいはこれを最高値として維持し続けるなら、悲しいことに私たち家族には永遠に家が買えないかもしれない。せめて今が4年前ならと恨めしく不動産屋の張り紙を眺める今日この頃である。
話はがらっと変るが、やはりシドニーは便利だ。一部の場所を除いて、たいていのところへは電車で行けるし、車がなくて不便を感じることも少ない。夜でも駅周辺は明るいし、それなりに人通りもある。確かに危険な地域は存在するし、日が暮れたら一人歩きできない場所もあるが、わきまえてさえいれば、危険な目にあう可能性は低いと思う。たとえ最終電車に乗り遅れても、深夜バスが運行しているし、ドライバーに頼めば下車するバス停にタクシーを呼んでもらうこともできるらしい。始発電車は路線や地域によって運行時間が違うが、早い駅で朝3時半過ぎからあるので便利だ。
ショッピングも、さすが大都市、不自由することはない。ゴールドコーストで見つけられなかった魚屋だって、そこここにあるし、アジア食料品店だってしのぎを削るほどある。我が家から歩いていける距離に韓国や中国の食料品店やレストラン、お持ち帰りのお店、ケーキ屋と何でもそろっている。
おまけに主人がよく行く中国人経営のレンタルビデオ店では、日本のビデオも借りられる。5本で10ドル、5本借りればサービスで3本ついてくる。日本のレンタルビデオ店のように、何泊いくら、などと細かいことは言わない。返却は2週間後だって3週間後だってかまわない。さらに「ただ今、上映中」の最新映画だって借りられるし、レンタル料も同じ。ただし、画像、音声は悪い。特に最新映画の場合は可笑しくて、どう見ても映画館で撮影されたもので、前の席に座る人の頭が写っていたり、客の笑い声、話し声、ひどい時は携帯電話の着信音まで、一緒に録画されてしまっている。恐るべし中国人だ。
シドニーは温暖で過ごしやすいとよく書かれているが、確かに東京に比べれば温暖かもしれない。だが、あまりにその情報をうのみにするのはいかがなものかと思う。
96年3月、私は日本にある留学相談所を通して学校の手配をした。出発は5月の頭、こちらはそろそろ冬なろうとしている時期だ。だが、スタッフは冬でもシドニーは暖かいので薄手のジャケットを持っていけば大丈夫ですよ、と言った。さて、結果はと言うと、半月も経たないうちに、私は革ジャンと厚手の防寒用ジャケットを購入するはめになった。おまけに、当時日本に住んでいた母に厚手のセーターを急いで送ってもらった。
確かに、真冬でも晴れて日差しが強い日は、日中20度ぐらいにまで上がる日もある。でも、早朝や曇り、雨の日は吐く息が白くなるほど冷え込んだりする。オーストラリア人だって厚手のロングコートを着ている人が多い。もし冬をこちらで過ごす予定があるなら、東京とあまり変らないと思って準備した方が無難だと思う。ただし、よく言われるように雪が降るほど寒くなることはないし、実際に雪は降らない。
では、夏はどうかと言うと、ゴールドコーストほどではないが、日差しはきついし、暑い。だた、湿気が極めて低いので木陰は割りに涼しいし、風のある日は気持ちいい。東京のように朝晩の気温差があまりなく、25度以上の熱帯夜が連日続くなどということはない。朝晩は気温がぐっと下がる日も多く、日中暑くても日が暮れてくるにしたがって過ごしやすくなる。
今年の夏はやけに涼しい日が多い気がする。これを書いている今日2月24日は曇りで最高気温予想22、23度だ。だが冷夏なのかというと、30度を超える日も何日もあったし、特に今年の1月1日は確か35度ぐらいの暑いお正月だった。それでも、こちらではエアコンを設置している家はめったになく、暑い日中は窓を閉め切ってブライドを閉じておけば、家の中は結構涼しい。窓を開けてしまうと熱風が入ってきてたちまち暑くなってしまうので要注意。湿気の多い日本では夏締め切った家に帰ってくると、もあ〜とものすごく暑くて、まるで駐車中の車に中みたいに感じることもあるというのに、こちらでは一切そんなことはない。
オーストラリアには緑が本当に多い。シティの真ん中でさえ、あちこちに木々がうっそうと茂る公園がいくつかある。どの道にも街路樹が植えられており、その木々が住宅街に行けば行くほど広がっている。樹齢100年はゆうに超えていると思われる木々が生い茂り、その眺めは圧巻だ。シティの本当の中心部を除いて、排気ガスが鼻につくなどということはないし、空気もきれいだ。こんなところに住めるだけで幸せだと思わせてくれるほどだ。
あなたも、いらっしゃいませんか?オーストラリアに。
ゴールドコースト現地報告は、どこに住む?&ゴールドコースト現地報告、その1、ゴールドコースト現地報告、その2をご参照下さい。
なお、グランマーのオーストラリア日記でも、ゴールドコースト、シドニーの現地情報を取り上げていますので興味のある方はどうぞご覧下さい。
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