海外へのお引越し





単身シドニーへ家探しに飛ぶ




かくしてシドニー行きを決心した私は、、さっそく単身家探しに旅立った。


10月21日火曜日、シドニーへ。

2歳の息子には土曜日の晩に帰って来るからと説明するにはしたが、分かっているような分かっていないような、すごく不安。英語の話せない母と息子を残しての今回の旅は精神的に結構辛いものがある。

11時40分、シドニー着。荷物を預けなかったので、そのまますぐに地下の駅に向かい電車に乗る。シティへの往復チケットの購入は同日のみ有効なので買えなかった。窓口では男の人がそのことについて文句を言っていた。シティまでシングルチケット(片道)11ドル。電車賃が信じられないぐらい高い。旅行者狙いなのだろう。私もチケットが高いと一応窓口の人にひと言文句を言う。年と共にずうずうしくなるものだ。

サーキュラキー、12時20分発のフェリーに乗船。船着場で友人の娘さんが待っていてくれた。歩いてすぐの彼女の部屋に到着。海を臨む素敵な住まいだ。

1時過ぎ、大学に通う彼女と一緒に駅に向かう。目的地は私が以前住んでいた地域。交通の便、買い物の便、ともに良い地域だ。ただし、日本人は非常に少ない。日本人は大抵シティか、ノースと呼ばれている高級住宅地に住む人が多い。最近シティ南部に住む日本人も増えているようだが、私の目指すのはインナーウエスト。シティから西へ電車で15分ほどのところだ。

2時前には、以前住んでいた駅の一つ手前の駅に到着。ここも候補地だ。中国人が多く住む地域。大きなショッピングセンターと小さなショッピングセンターがある。駅をはさんで道路(約7〜800m)の両側が商店街になっている。大きな公園もある。片っ端から不動産屋をあたる。4件、室内を見るがイマイチ。2件、見たい物件があったが、来週にならないと見れないとのことなので諦める。インターネットでチェックしていた物件は3件ともすでに決まっていた。

5時になって、以前住んでいた駅に到着。急いで数件の不動産屋に行くが全然ない。6時近くなって、もう諦めかけて帰ろうと駅に引き返したら、駅前の不動産屋が一軒、まだ営業していた。もうここしか残っていない。聞いてみると、駅に近くて良い物件があるとのこと。さっそく今日これから中を見れるかどうか訪ねると、急いで見てきてくれるならOKだと言う。めずらしくやる気のある不動産屋だ。

その物件は、駅から約1分、2ベッドルーム、2バスルーム、1ガレージ。
一階部分だが、外から見ると実際は中二階という感じ。一階は危険だし、嫌だったがこれなら許せる範囲だ。セキュリティもしっかりしているし、部屋の玄関ドアには鍵が2個ついている。窓には全部格子戸がついており網戸もある。しかも網戸の方はちゃんと鍵を使ってのロックなので、網を破っても鍵がないと網戸自体を開けられないようになっている。給湯と調理器具はめずらしくガス。リビングもかなり広いし、バルコニーも広い。メイン・ベッドルームにはウォークイン・クロゼットとバス・トイレ。もう一つのベッドルームにはビルトイン・クロゼットがついている。洗濯室も独立した個室になっていて、乾燥機完備。メインのバスルームはまあまあの広さ。キッチンはリビングから丸見えにならないように設計してあるのでいい感じだ。

問題は家賃だ。シドニーだということで予算はかなり高く設定したつもりだったが、その予算ではかなり古くて汚いユニットしか借りられないことが分かった。その物件は予算を上回ること週60ドル。4週間だと240ドルも違ってくる。これは痛い。不動産屋にそう言うと、週10ドルまけてもいいと言ってきた。それでも週50ドル出っ張ったままだ。50ドルと言えば、1ドル80円として、4千円。たかが週4千円、されど4千円だ。しかも、今の住まいに比べたら、家賃は2倍近い。即決できるわけがない。だが翌朝に仮契約をしたい人がいるという。嘘だと分かってはいるが、とりあえず手付けを払って物件を押さえてもらうことにした。

その夜、ゴールドコーストにいる母と、台湾にいる夫に電話する。夫に話すと、この3年でずいぶん家賃が高騰したものだと、さすがに驚きを隠せない様子だった。母は「もう、それに決めたらいいんじゃないの?」と言う。母らしいと言えば母らしい言葉だ。4、5日待って新たな物件が出たとしても中を見られるのは2週間後ぐらいになってしまう。今回のシドニー滞在で住まいを見つけられなければ、また、改めて来なければならない。時間と飛行機代の無駄だ。それに、今回は他の地域に住む気はなかったので迷ってもいられない。たった半日駆けずり回っただけじゃないかと思われるかもしれないが、その地域でそれ以上行くべき不動産屋はないし、やるだけのことはやった。


10月22日、水曜日、シドニー滞在2日目。

朝一番で昨日の不動産屋へ行く。書類はもうすでにそろっていた。信じられないぐらい仕事が早い。すぐに引越し出来ない旨を伝えると、家賃の発生を10日後からにしてくれた。サインをし、支払いを済ませ、鍵を受け取り、すべて完了。近くの小さなショッピングセンターでトイレットペーパーと鉢植えを買う。新しい我が家となるその部屋に行き、鉢植えと持ってきた小さな鏡を玄関に置き、迷信とは分かっているが、幸運を願ったりしてみた。

シティにあるカンタス航空に行き、出発日を変更してもらおうとしたが、土曜日まで満席状態で変更出来ない。もう、シドニーでやるべきことはない。土曜日までぶらぶらしているなんて考えただけでも嫌だ。用は済んだのだから、一刻も早く帰りたい。

長距離バス!それしかない。
シドニーからゴールドコースト(サウスポート)まで15時間はかかるだろう。だめもとで予約に行ってみると、今夜のバスの予約が取れた。出発は20時30分。

友達の娘さんの住まいに戻り、荷造りを済ませる。彼女に電話をし、夕飯をいっしょに食べる約束をする。預かっている鍵を返さなければならないし、お礼と報告もしなければならない。それまでの間、シティにあるという日本人経営のチャイルドケアセンター(託児所)を見学させてもらおうと訪ねてみると、年内いっぱいで閉めるという。時間が無いのは承知のうえで、ノースにあるという別の託児所を訪ねようと思ったが、なぜか見つからない。あっという間に時間切れ。シティに引き返し、チャイナタウンの台湾レストランで、彼女に事のてん末を報告しお礼をして、20時20分、長距離バスに乗り込んだ。バスで1,000キロの旅をするのは、生まれて初めて。途中、午前2時半のトイレ休憩のサービスエリアで恐ろしい出来事に出くわしたが、それはまたの機会に。


10月23日、木曜日、帰宅。

昼の11時過ぎ、やっとサウスポートに到着。
迎えに来ていた息子は、身じろぎもせず、うつむいてベビーカーに乗ったまま。人が違ったようにひと言も話さない。ママとも言わない。しかも私と目を合わさないように帽子を深々とかぶっている。覗き込むと、ますます帽子で顔を隠してしまう。私は、ママ!と駆け寄ってくる息子を想像していたのだが、現実とはそんなものなのか。必死になって、シドニー1泊、車中1泊という強行軍で帰ってきたというのに、息子は、かなり、いや相当に怒っていた。ママに捨てられたとでも思ったのだろうか。私がいない間、息子はただの1度もママと言わなかったそうだ。とても良い子にしていたらしい。家に着いて、やっと、彼の笑顔を一瞬見ることができた。そして、私は安心して、抱っこして、チュウをしたのは言うまでもないか(笑)。


ゴールドコーストでの部屋探しの体験談は、どこに住む?&ゴールドコースト現地報告、その1で、賃貸に関する情報は、オーストラリアで住まいを探すをご参照下さい。