技術独立永住権取得大作戦
私の技術査定
移民事務所の査定結果は、「私が独立永住権を取得できるかどうかは、オーストラリア公認の機関による技術査定に合格できるかどうかにかかっている」ということだった。とは言え、Good chance(70+%)であり、勝算はある、という返事だった。この70+%がいい数字なのかどうかはよく分からない。
ただ、この移民事務所はこれまで和食調理師の申請を請け負ったことがなく、日本料理には疎いということで、私はさまざまな書類やパンフレット(5星ホテルにある日本食レストランのメニュー、有名な料理屋のメニュー、料理の説明、調理師に関する日本の法律etc)などを送った。そして、担当者は担当者で、TAFEで日本料理の先生をしている人にアドバイスを求めたり、と努力してくれた。それにしても、大変だった。もう二度と御免だ、というぐらいに。
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必要書類の一覧とそれに関するエピソード。調理師で申請する方の参考に。
申請用紙
調理師としての技術はTRA(Trades Recognition Australia)で審査される。担当者から、申請用紙とインストラクションページが送られてきた。インストラクションページには、必要な書類など、技術査定について記載されている。査定料金は390ドル。移民事務所の方で送金してくれたようだ。この時点で私に送金依頼はきていない。
英訳された最終学歴の卒業証明書と成績証明書
これは卒業した学校に問い合わせれば、送ってくれる。
調理師免許
これは、もうそのまま送った。コピーを提出し、たぶんオリジナルは移民事務所で保管されていたはずである。コピーといっても、公証人が原本と同じであると正式に認めたコピーのこと。コンビニでコピーしたものは認められない。そんな訳で、翻訳とコピーの手配を頼むことにした。
パスポート
すべてのページのコピーが必要。これも、コピーをとってもらうために送った。
これまで勤めた全部の会社からの在籍証明書
私の場合、母の経営する飲食店で9年間、調理師として働いていたが、店はもうとっくの昔に売却していた。現在、存在していない店から普通なら在籍証明書が取れるだろうか。
「あなたなら、どうしますか? オーナーを探せますか? 店があったという証拠は、そこで働いていたという証拠は何か提出できますか?」
そう考えたら頭が痛くなった。担当の方から、当時の納税証明書など、何かないかと尋ねられたが、それらの書類は3〜5年で廃棄するのが普通である。母は運悪く前年に処分してしまっていた。しかし、その期間の在籍証明書がいる。オーナーは母だ。探す必要はない。なんとかなる、いや、なんとかしなくては。
オーストラリアではレターヘッドのある用紙に書かれた文書が正式なものだと判断される。しかし、そんな洒落たものが小さな飲食店にある訳ない。問い合わせたところ、パソコンで用紙を作っても差し支えないとのことだったが、たまに見かける日本の会社のレターヘッドつき用紙は、きちんと印刷されたものばかりだったので、へたに偽物だとか、つっこまれるのを嫌って、私はわざわざ印刷会社に頼んで少しだけ印刷してもらうことにした。思わぬ出費となってしまった。今思えば、そこまでする必要はなかった気がしないでもないが、性格上、完璧をきしたかったのだ。そんなことでつまずきたくなかった。
さて、レターヘッドが出来上がったところで、今度は内容である。これは、担当の方に雛形を作ってもらい(もちろん英文で)、それを参考にして日本語で作成した。なぜなら、その辺の町場の飲食店の経営者が英語で在籍証明書を書けるわけがない。最初から英語で作成して提出したら、すごい違和感がある。内容は、働いていた期間、その人のポジションと仕事の内容を詳しく書かなければならない。
次に、シドニーにある飲食店で約2年間働いていたので、その会社に理由を話してリファレンス・レターを書いてもらった。
仕事ぶりの分かる当時の写真
母の店が存在していた証拠と、私がそこで働いていた証拠になるかどうか分からないが、当時の写真を添付することになった。しかし、私が写真嫌いだったせいで、たった2枚しかない。それもオープン当時のものだ。ないよりまし。そう考えることにした。写真は好き嫌いの問題じゃない。記録なのだ、証拠なのだ、と認識を改める出来事となった。
職業訓練についての書類
申請用紙のなかに、職業訓練について書く欄がある。
職業訓練とはフルタイムの学校でそれなりの期間勉強することだと解釈して、自分には関係ない、と思ったのだが、私はある移民コンサルタントの言葉を思い出した。彼は、自分の技術や能力が優れていると、審査官に認めさせることが重要だと言った。そして、これまで受けた研修、参加した講座など、技術向上につながることは積極的に記述すべきだと言った。
ずいぶん前になるが、私は女子栄養大学の通信教育を一年間受けたことがあった。それは、文部省認定、労働省指定の社会通信教育だった。たいしたものではないが、なんとなく聞こえがいいと思った。もちろん、私はその講座のパンフレット、及び、学習内容、そして修了書を事務所に送った。残念ながら、担当の方がそれを職業訓練として記載したかどうかは分からない。
もうここまでくると、自己満足の世界だった。結果がどうでようと、「やるだけやった、やり残したことはない」と思えれば悔いはない。その思いだけでがんばっていたようなものである。
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技術査定のための書類が全部揃い、申請したのは2000年11月も終わりのことだった。
待つこと3ヶ月、2001年3月の初め、TRAからの返事が届いた。
合格!
Classificationは、as a COOK.
申請した時の分類は、Japanese Chefだったはずだが、最終的にはCook(調理師)で認められた。査定機関で判断してくれるようなので、分類についてはそんなに神経質にならなくてもいいと思われます。