海外育児日記




ネバーギブアップ!
保育園探しとオーストラリア保育事情



幼児のための教育機関は、いわゆる日本の幼稚園にあたるプリスクール、キンダーガーテンと、保育園にあたるデイケア・センター、託児所のようなオケージョナル・ケアー・センターに分けられます。

プリスクールとキンダーガーテンは三歳から就学前の幼児を対象にしています。
デイケア・センターにはファミリー・デイケア・センターとロング・デイケア・センターがあり、前者は保育の認可を受けている人が自宅で少数の子供を預かるところで、後者は日本と同じような保育園です。朝7時頃から夕方6時頃まで、0歳児から預かってくれます。
オケージョナル・ケア・センターは子供を一時的に預かってくれる託児所のようなところ。パートタイムで仕事をしている人が一日数時間預けたり、曜日ごとや日にち指定で預かってくれます。
その他、母親たちが自主的にホールなどを借りて運営しているプレイグループや個人的にお願いするベビーシッターがあります。



ところで、我が家の2歳4ヵ月になる息子は、今、とっても友達が欲しくてたまりません。毎日、公園やショッピングセンター内のプレイスペース(車、滑り台、大きなジャングルジムもどきなどがある)に連れていって遊ばせていますが、そこに集まる子供たちは毎回顔ぶれが違うし、特定の友達を作るには不向きな場所なので不満なようです。それでも息子は他の子供に手を差し伸べたり追いかけたり、車の運転手席に座り、隣の席を指差して「どうぞ、どうぞ」と言っては自己アピールするのですが、なかなか相手にしてもらえず、結局は一人遊びすることになります。どんなに私たちが遊んでやっても、子供同士のようにはいきません。「お友達がほしいの?」と尋ねると、小さな声で「うん」と言う。あ〜、可哀想。

このままでは永遠に友達ができそうにないし、きちんとした英語に触れさせたいので、シドニーに越してから息子を託児所に預けようということになった。とりあえずは週3日か4日、短時間預かってくれるところをと思い、探し始めました。

インターネットのイエローページ(電話帳)でチャイルドケアと家のある駅名を入力して検索してみる。
該当するのはたった3件。
うち2つは30分以上歩くはず。だめだ、車がない...。
最後の1つはおそらく歩いて10分ぐらい。電話をする前にとりあえず住所をたよりに探してみるが、その番地がない。この駅周辺にはお高い私立の小中高一環教育の学校が3つあるのだが、どうやらお目当ての番地はそのうちの一校の敷地内のようだ。恐る恐る覗いて見ると、奥の方で小さな子供たちが遊んでいるのが見える。おそらくそこだろう。学校の外観といい、敷地の広さといい、うちには手が届きそうにない...ということは、全滅だ。

試しに隣の駅名で検索してみる。
該当するのは4件。
うち2つはやっぱり歩いて行けない。
もう1つは、歩いて行けないことはないが、雨の日はおっくうな距離だ。その託児所はユニット(日本のアパート・マンションのようなもの)の一階部分、一世帯分の部屋でやっているようだ。広い庭があって子供たちが遊べるならいいが、そんなスペースはなさそう。イマイチ積極的になれない。
最後の1つは、家から歩いて10分ぐらい。外観はごく普通の一戸建て。裏庭は結構広くて遊び場がある。覗くと、1歳ぐらいの子供が保母さんと一緒に庭にいる。他に人影はない。外にベビーカーが3台置いてある。翌日もまた覗いてみるが、やっぱり静かだ。これじゃ、お友達を見つけられそうにない。

どうしても日本の保育園をイメージしてしまうせいか、子供の人数が少ないと寂しすぎる気がするし、かと言って多すぎると行き届いたケアができないのではないかと不安になる。とにかく、気乗りしない。

発想を変えてみれば、母の通う語学学校のそばで探すという手もある。
母が通える移住者用プログラムを実施している語学学校はシドニーにはたくさんある。近場で治安が悪くなく、民族構成が馴染みやすいところで探すと、
  1. 電車で15分のシティにあるTAFE(公立の専門学校)
  2. 家から歩いて15分の公立の語学学校
  3. 家から電車で15分郊外に向かった地区の私立の語学学校
が有力候補だ。どうしよう...上記の1〜3を順番に検討してみると、
  1. ベビーカーを押して、朝の通勤ラッシュ時の登校は不便だし危険。
  2. 昔からその語学学校の前をよく通っていたが印象が悪い。学校がとても小さく見えるうえに生徒の出入りも見たことがないし、外から受付辺りを見ると開校しているのか廃校なのか分からないほど暗い。ろくな授業をしているとは思えない。
  3. この語学学校の本校は現在シティにある。私が以前留学していた時に通っていた学校だ。当時も現在も語学学校としてはランクが高い。授業料も非常に高い。ここは移民者用プログラムを実施している分校ということなのだろう。この学校なら安心だし、朝、郊外へ行く電車は空いている。行って話しを聞く価値はある。
3の学校を訪れる前に、その地域のチャイルドケアセンターを検索してみると、郊外の住宅街のせいか託児施設が結構あり、駅近くの大きなショッピングセンター内にもチャイルドケアセンターがあった。学校見学がてら、行ってみることにした。なかなか広くて明るい。ちょうど昼時だったせいか、子供たちが20人ぐらいテーブルについていた。みんな3,4歳ぐらい。お友達がいっぱいできるに違いない。スタッフに聞くと、若干だが空きがあるとのこと。料金は1時間6ドル。

学校へ行き、話を聞く。この語学学校にはチャイルドケアセンターが併設されているが、親が授業を受けている間、子供を預かる施設なので、孫では預かれないと言う。それに現在、多くの親が空きを待っているとのこと。

ということは、やはり外の託児所に預けるよりない。授業は月〜金の9時から2時半。一日6時間半預けるとなると、料金は一日39ドル、週195ドル。一ヶ月にすると、819〜858ドルということになる。かなりの出費だ。

大きなショッピングセンター内にチャイルドケアセンターがあったということは、家の近所のショッピングセンター内にもあるかもしれない。入り口付近に置いてある店内案内のパンフレットを見ると、確かにチャイルドケアセンターが載っていた。その託児所は屋上の駐車場脇にあり、一戸建てで見た目もいい。中に入って聞いてみると、現在100人以上の子供たちがすでに登録済みで待っているとのこと。不覚にも、あ〜、と大きなため息をついてしまった。ちなみに料金は1時間10ドル。さすがに家賃の高い地域は、保育料も高い?!

さすがにめげてきた。もう、見つからないかもしれない、という思いが脳裏をよぎる。
しかし、そうは言ってられない。母を学校に行かせるためにも、息子に友達をつくってやるためにも、がんばらなければ...。しかし、なにをどう?がんばればいいのだ。
「自分でチャイルドケアセンター始めたほうが、よっぽど簡単なんじゃないの?」主人がぼそりと言った。
全くだ。

息子のチャイルドケアセンターが見つからなくても、母には語学学校に通って欲しかったので、気を取り直して、上記2番の家から15分の移民者のための語学学校を訪ねてみることにした。受付のインド人男性から英語コースの説明の最後に入学の手続きの有無を聞かれ、息子の託児所が決まらないと無理だと言うと、併設のチャイルドケアセンターで預かってくれると言うではないか。我が耳を疑って聞き返すと、
「チャイルドケアでしょ?大丈夫だと思うよ。無料だよ。」
と軽い返事が返ってきた。
「えっ、えっ? うそ〜、いいの? 空いてるの?」
不意をつかれた私の返事はまさにこんな感じ。
もちろん、ぬか喜びはしたくないので、孫でも受け入れてくれるのかどうか、私は何遍も確認した。このしつこい確認が、あとで私たち家族を救う?ことになった。

私たちはその場で母の入学手続きと息子のチャイルドケアの申請を済ませた。ほっとしたどころの騒ぎじゃない、天にも昇るほど嬉しかった。授業は夏休み明けの一月末からとなった。

一月早々に届くはずのインビテーションレターがなかなか届かないと思っていたら、学校が始まる1週間前になって電話がかかってきて、入学の説明をするので来いとのこと。朝6時からの仕事が2時半に終わったので、ちょうどよくみんなで学校に到着。個別の話だったが、その際、やっぱり出た。担当の女性いわく、このチャイルドケアセンターは、両親のいずれか、または両方が語学学校に通うために子供を預かる施設なので、孫では預かれないと言い出したのだ。そんなことは知っていた。だから、あの時しつこく聞いたじゃないか、とこっちもかなり強気で応戦。すでに大丈夫と言ってしまったので、ということで今学期のみ学校側が百歩譲って理解を示してくれて、無事、校内の施設に無料!で通うことが許可された。ただ、最後にその彼女が言ってくれた。学期終了間近になったら、また聞いてみて? もしかしたら、また預かってあげられるかもしれないから。本当に良い人たちだ。

その語学学校の名誉のために言っておくと、先生方も素晴らしいし、生徒たちのニーズに合わせてカリキュラムを変更してくれるなど授業内容も良く、とてもいい語学学校だと後で分かった。先入観とは恐ろしいものである。さらに、併設の託児所は室内も庭もとても広く、保母さんも良い人達だった。このチャイルドケアセンターについては、グランマーのオーストラリア日記気分はグランマーと孫の語学留学&託児所の様子で詳しく書いてますので、興味のある方はご参照下さい。



オーストラリアでは、地域によっても異なるでしょうが、保育・託児施設がかなり不足しています。申し込みから入園まで1年以上待つこともありえるそうです。人気の高い幼稚園も同じです。本当なのかおおげさなのかは分かりませんが、妊娠中から予約を入れる人がいるとかいないとか。さらに、車社会を反映してか場所も不便な所が多いのが実情です。先日のニュースで託児施設を増加させる計画だと言っていましたが、一日も早くにどうにかしてほしいというのが偽らざる気持ちです。ついでに料金も見直してほしいです。永住者なので国から補助がでるとはいえ、決して安くはありません。少子化と言われて久しいですが、どこの国でも子育ては大変なのだと実感させられた託児所探しでした。