グランマーのオーストラリア日記




不思議発見
シェアとホームステイ前編



オーストラリアでは、シェアが盛んです。
シェアとは、いわゆる間借り、住居の一部屋を借りて住むことですが、自分が借りている家や所有している家の空き部屋を貸す場合も同じです。簡単に言えば、居間、キッチン、バスルームなどを他人と共有して共同生活することです。ちなみに、シェアで一緒に住んでいる人のことを、シェアメートと言います。

では、シェアとホームステイとはどう違うのでしょうか。
私にはどちらも同じような気がします。なぜそう言うかといいますと、娘はこちらで三ヶ月間ホームステイを経験しておりますし、日本に住む私の妹と友達はそれぞれ交換留学生の受け入れ先をしておりました。こちらのホームステイと日本のホームステイは内容が全然違うように思います。

私の妹と友達から聞いていた話によると、食事に頭を悩ませ、みんなで英語を事前に一生懸命勉強し、少しでも精神的にくつろいで過ごせるようにと気を使い、日本でいい思い出をたくさん作って欲しいといろいろな観光地に週末ごとに連れて行き、それはそれは一家をあげてもてなしたと聞いています。

娘から聞くこちらのホームステイは、受け入れ先にとってはお気楽な感じがします。以前、娘は一人暮らしの五十台後半の女性のお宅にホームステイしておりました。当時の娘からの手紙には、そこでの生活ぶり、学校のこと、友人のことが事細かに興味深く書かれておりました。

ホストマザーの生活は至って地味で、食事も質素だったそうです。シャワーは10分までにしてほしいと言われたそうです。ちょうど冬でしたが、日当たりの悪いそのお宅には暖房設備はなく、かなり寒かったようです。娘は思い切って寒くて仕方ないと話したところ、ホストマザーは友人宅から電気ストーブを借りてきてくれたのですが、電気代がかかるので必ず弱で、使用は短時間にしてほしいと念を押されたそうです。シャワーで思い出しましたが、娘はシャワー中あまりの寒さに毎日歯の根が合わないほど、いえ、舌を噛み切りそうなほど、ガタガタと震えていると、当時の手紙に書いてきておりました。

でも、良い思い出もたくさん作れたようです。ホストマザーの友人のイタリア人家庭におじゃまし、たくさんの料理、美味しいエスプレッソをいただき、家の様子、家族の様子を見て、仲の良い大家族の素晴らしさを感じたと言います。さらに、毎日、ホストマザーとその日のニュースについて話をしたり、映画の話、その日の出来事などを夕食後によく話をしたと聞いております。いろいろあったようですが、いい経験ができたようです。

かたや、同じ語学学校の生徒さんで、不幸な出来事にあってしまった話も思い出されます。そのお嬢さんは二十台前半、可愛らしい方だそうです。ホストマザーと子供たちが出掛けてしまった午後に、悲しい出来事が起こってしまいました。ホストファザーが彼女に、いかがわしいことをしようとしたのだそうです。そのお嬢さんは何事もなくすみましたが、その日のうちにホームステイしていたお宅を出て、お友達の住む学校の寮に移ったそうです。翌日、娘は彼女と一緒に語学学校の宿泊手配担当の方のところへ行き、事情を話したそうです。これは特殊な例でしょうが、実際にあった話です。

こんな風に書いてしまうと、ホームステイを敬遠したり躊躇される方もおられるかもしれませんが、素晴らしい経験、素敵な出会いをされた方はたくさんおられることでしょう。私があえてこんなことを書いたのは、知っているのと知らないのとでは、大きな違いがあると思うからです。知っていれば防げることもあるでしょうし、慎重にホームステイ先を選ぶなど、考える材料になると思います。もし文化や生活様式の違いに不安があるなら、事前に情報を集めたり、経験者に話を聞くなりして、いろいろと準備もできるでしょう。見ず知らずの他人と住むのですから、ホームステイにしてもシェアにしても、それなりの不安、不満は覚悟しなければならないでしょうし、さらに若いお嬢さんの場合は安全性も考慮しなければならないと思います。

最近では、従来のホームステイに加え、自炊方のホームステイもあるそうです。ホームステイも一つのシェアの形に過ぎないと考えれば、気楽に過ごせるというものでしょう。もちろん相性はあるでしょうが。何事も期待しすぎない方がいいのかもしれません。


不思議発見 シェアとホームステイ後編に続く。